WiN-Japanは、2024年11月8日、東京でアイダホ国立研究所の代表団と、女性が活躍できる職場づくりに向けた課題とベストプラクティスについて意見交換を行いました。
アイダホ国立研究所(INL)はアメリカ合衆国エネルギー省(DOE)傘下の研究所で、2000km²を超える広大な敷地を有し、小型モジュール炉(SMR;Small Modular Reactor)の開発や先進試験炉(ATR;Advanced Test Reactor)の実証試験、核燃料の基礎研究など原子力に関する技術開発に加え、様々なエネルギー関連技術の研究に取り組んでいます。
最近では、同研究所敷地内で行われているマイクロ原子炉「オーロラ」や「Kaleidos」の開発が日本でも話題となりました。
アイダホ国立研究所では約6,500人が働いており、そのうち約25%が女性、約30%が海外から受け入れている研究者とのこと。同研究所Comb副所長は、女性や外国籍等の少数派とされる人々が、疎外感を抱かずに帰属意識を持てる環境作りに努めていると言及。ロールモデルとなる存在が必要であるとの認識を示すとともに、重要な職務に女性を配置する研究所の取り組みについて紹介しました。
同研究所のディレクターでWiN-U.S会員のMcDanielさんからは、女性研究者が悩みを共有したり助言したりする機会を毎月設けている等の事例紹介がありました。
同行のアイダホ州Little知事からは、ジェンダーの偏りをなくす政策を州として推進していることや、若手の女性雇用に貢献するため犯罪率の低下に取り組んでいること等、アイダホ国立研究所における女性雇用拡大を支援するための州としての取り組みについて紹介がありました。
Little知事の話からは、同州の主要産業の一つである原子力分野への期待と、原子力の先進的な研究を担う同研究所への誇りが感じられました。
WiN-Japanからは、日本の原子力分野におけるジェンダーバランスの課題を共有するとともに、WiN-Japanが取り組むジェンダーバランスの改善について紹介。
続く意見交換では、原子力分野において女性が安全に安心して働ける環境づくりについて議論しました。
同日夜は、米国大使公邸で開催されたパーティーに招待され、そこでもアイダホ国立研究所およびアイダホ州の方々と意見交換を行いました。